シェリーウィークをマドリードで楽しむ
シェリーワインを日本で飲む機会はあまりないのではないだろうか。スペインにはリオハなど有名なワイン産地がいくつもあるが、スペインに来ることがあれば、シェリーワインもぜひ試して欲しい。スペインの南西部、アンダルシア地方のカディス州ヘレスで作られるこのワインは、作り方も味も少し変わっている。そして、世界でもトップクラスに辛口なワインから最も甘口なワインまで、10種類と幅広いことが魅力の一つでもある。そんなシェリーワインの世界を知るべく、シェリーウィークである今週、マドリードにある酒屋さんMadrid&Darracottでテイスティングに行ってきた。
シェリー(Sherry, スペイン語ではヘレス Jerez)ワインはその名のとおりヘレス地方で作られたワインのこと。リオハやボルドーのように、産地を指す言葉である。
シェリーワインは醸造の過程でアルコールを追加して作る、「酒精強化ワイン」の一種。辛口のワインの場合、「パロミノ」種のぶどうが使われる。これと言った特徴のないこのぶどうは、シェリーワインを作るのに適しているそうだ。シェリーと聞くと極甘口のワインをイメージするかもしれないが、スペインで多く飲まれているのは辛口のほう。作り方や産地によって5種類に分けられる。今回は4つをテイスティングした。
シェリーの種類や歴史、製造過程を詳しく知りたい方はこちらから。
普通の白ワインよりは度数も少し高く、味わいも複雑だが驚くほど料理との相性がいい。フィノやマンサニーリャは前菜やシーフード、アモンティリャードとオロロソは肉料理とも相性がいい。料理と一緒に楽しんでこそシェリーワインの良さが際立つとまで言いたくなるほどだ。テイスティング時にも言っていたが、日本酒と共通点があるのか、日本人はシェリー酒に抵抗が少ない人が多いらしい。マドリードでシェリーを揃えて置いているお店は多くないが、機会があればぜひ試して欲しい。オーダーする際は、Vino de Jerez(ビノ デ ヘレス)があるか聞いてみて。アンダルシア地方、特にカディス州に行くことがあれば、いろんなところで飲む機会があるはず。
最後に試飲したシェリーワインはペドロ・ヒメネスというぶどうで作られた極甘口ワイン。5種類ある甘口ワインの中の一つだ。スペインの太陽の下、ぶどうを天日干ししてレーズンにしたものから作られるワインで、甘味が凝縮されている。グラスに注がれるチョコレート色のワインは、シロップのようなとろりとした状態。一口飲むとぶどうの甘みとキャラメルのような風味が口に広がる。
こちらはデザートワインなので、少量を食後に飲むくらい。甘くないデザートや強目のチーズと合わせるのもいい。バニラアイスに少しかけて食べるのも、絶対に美味しい。
今回テイスティングをしてくれたMadrid&Darracottでは、シェリー以外にもたくさんの種類のワインを置いている。マドリードのPlaza Mayorに近い中心街にあるので、特別な一本を見つけるのに最適。英語での対応もしているし、オーナーのLukeは少し日本語も話せるので、気軽に行ってみて。テイスティングは毎週木曜日に、毎週違うテーマで行っているのでぜひ。
Madrid&Darracott: Calle del Duque de Rivas 8, Madrid