スペイン夏の定番ドリンク「オルチャータ(Horchata)」
オルチャータといえば、私が初めて飲んだのはメキシコだった。お米から作った乳白色のクリーミーなのにすっきりしたドリンクで、シナモンの香りがきいた暑い時にもぴったりな飲み物。このオルチャータ、実はスペインのバレンシア地方では13世紀から飲まれているらしい。スペインではお米ではなくタイガーナッツ(チュファ)を使っており、アラブ圏から伝わったもの。ラテンアメリカでお米や他のナッツを使うのはきっとタイガーナッツの代用なのだろう。今流行りの植物性ミルク、こんな昔から愛されていたのだ。
タイガーナッツと砂糖でできたドリンクは乳白色で、クリーミーだけどすっきりしている。ほのかにナッツのような香りがついているが、味自体はとてもシンプル。でも食欲のない暑い日に飲むとなんだか元気になる気がする。それもそのはず、タイガーナッツはスーパーフードとも言われるくらい、栄養価が高いらしい。
マドリードでオルチャータを飲める場所はカフェなどいくつかあるが、もしゴヤ地区に行くことがあればぜひこの路上スタンドKiosko de Horchata Miguel y Joseで飲んで欲しい。昔はこのような路上スタンドがたくさんあったそうで、こちらのスタンドも1944年からやっている老舗。家族代々続けてきたそうだ。こちらでは砂糖なしのオルチャータもあり、健康ドリンクとして飲むならピッタリ。でもバテるような暑い日には砂糖入りの甘いオルチャータでエネルギーチャージしたい。
周りにはショッピングできるところも色々あるので、休憩がてら寄るのがちょうどいい。実際、夕方には仕事帰りの人や学校帰りの子供たち、買い物を楽しむセニョーラたちが次々と訪れていた。観光客のいない今のマドリードでも、このキオスコは客足が途絶えることもなさそうだ。お持ち帰り用にボテ(ボトル)で500ml〜1Lも購入できるので、次行った時はお土産に持って帰ろう。近くに住んでいるのか、あるおば様はマイボトルを持って買いに来ていた。
後日、このポスターにあるAgua de Cebada(麦の水)も飲んでみた。マドリードでは昔から清涼飲料として飲まれてきているらしい。材料は煎り麦、黒糖、水とシンプルだけど、色も風味もなんとなくコーラのような、アイスティーのような、不思議な飲み物。材料的には甘い麦茶になりそうだけど、どちらかというとジュースのような印象だった。こちらはすっきりとしているので、喉を潤すのにぴったり。ぜひ、スペインならではの飲み物でひと息ついて!